無気力系幼なじみと甘くて危険な恋愛実験


柔らかいその唇に慣らされた私の唇は、やんわり差し込まれる熱い舌を容易く受け入れてしまう。


おいで、と囁くようなその動きに、おずおずとついていくと絡みとられて、苦しくなって。



さっき壱が舐めた私の涙の味が、ちゃんとして。

ちゃんとしょっぱい。


その涙の味を私の口内に完全に渡してしまった壱の舌が、私の首筋に流れていくと声が漏れた。



「…ぅ…ぁ……ん…っ」



喉の奥から出てくる、聞いたことのない吐息と声。


いつのまにかカッターシャツのボダンも外されていっている、手早すぎる、そう思った瞬間。


ちく、と刺すような痛みを鎖骨あたりに感じて、視線をやろうとしたらそれを遮るように壱がまた私の口をふさぐ。


食べるように。


壱の触れるところ全部、熱くなって柔らかくなって溶けだしそうだ。


< 190 / 257 >

この作品をシェア

pagetop