無気力系幼なじみと甘くて危険な恋愛実験


ママが何事か?!と私を振り返るけど、その時私はもう部屋にはいない。


部屋のドアを思いきり閉めてママを閉じこめ、徒競走並みの本気度で廊下を走る。


理沙子、理沙子、理沙子、


玄関でスマホをいじりながら私を待ってくれている理沙子の前に、急ブレーキをかけて止まり、ばばん、と登場して、



「理沙子!」



名前を呼んだら。

理沙子は私のインパクト大な登場の仕方に驚いたのか、引き気味の顔で私を見た。


「お、おう仁乃…、これ…鞄」


引き気味の顔のまま鞄を差しだされるから、

ここは心配そうな顔、なんでか知らんが訳知り顔で、優しいため息つく親友様登場ってシーンだろ。



でも、そんな少女漫画みたいにいかない現実を嫌ってほど知ってる私の口は、別の言葉を。




「理沙子!私やばかったよ!貞操保ったよ!」

「は?」




理沙子の顔が不可解だと言わんばかりにゆがむ。


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