無気力系幼なじみと甘くて危険な恋愛実験
うーん。
思い出してみてもさっぱり、なんでこうなったのか分からない。
分からないけど…。
壱の二度目の「結婚して」発言を聞き終えた私は、少しずつ冷静になっていて。
「壱、とりあえず、どこうか」
ゆるっとした白いパーカーを着ている壱の胸を、両手で押した。
でも、壱はびくともしない。
さすが18歳男子…いつの間にこんな立派になって…。
じゃなくて。
「壱、そろそろ怒るよ」
「なんで怒んの」
「…冗談でも言って良いことと悪いこと、あるでしょ」
私が呆れて、そう言うと。
「冗談じゃないし」
あまりに真面目なトーンで返された。
いつもテンション低いから、違いが分かりにくいけど。
これは壱の真面目なトーンなんです。
そして冗談ではないそうです。