無気力系幼なじみと甘くて危険な恋愛実験

「仁乃ちゃん、もう学校終わったけど…」


呟いた光太郎くんの頭を新田ちゃんが平手でしばく、乾いた音。

そして心配そうな顔の理沙子と目が合う。

はあ…はあ…、少し落ちついてくる呼吸で、必死に酸素を肺にとりいれて。



「…万里加さんに会ってきた」



言ったら理沙子が目を丸くした。


「まじで…?」


呟いてスマホを手にとりどこかへ電話をかけようとする理沙子の手を、がっと制して私は言う。



「その電話、不要」

「…信じていいのそれ」

「うん、丸腰」


強く言って頷いたら、理沙子は苦笑いを零した。


「よく耐えたな」

「冷静に考えたらこの恨み、お門違いだしね」

「だいぶ頭冷えたな」



理沙子に続いて、光太郎くんも新田ちゃんも苦笑いを零す。


その顔を見たところさすが3人組、理沙子からの情報共有はばっちりみたいだ。


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