無気力系幼なじみと甘くて危険な恋愛実験
「壱、抱きついていい?」
「いいよ」
恐る恐る、ぎゅ、と壱の身体に腕を回す。
距離を、確かめるように。
「ねえ本当に本当に素直になっていい?」
「ん」
「嫌いにならない?」
「なると思うの」
「ならない、でも、なるかも、分かんないよ、もう」
「ならない。ちゃんと言って」
言いきる壱に抱きついたまま頷いて、はっきりと言う。
「好きだよ壱」
壱の心臓の音を、耳元で聞きながら、はっきりと。
「金輪際、死ぬまで…」
一生分のわがまま、ここで使う。
「私以外の女に触れないで、そういう、好きだよ」
言いきって見上げたら壱が、ゆっくり頷いて切なそうに目を細めるから。
涙は次から次へと流れる。