無気力系幼なじみと甘くて危険な恋愛実験
そして今度は壱が言う。
「全部、分かってる」
「…うん」
「俺の気持ちも自分の気持ちも、はじめからちゃんと分かってる仁乃を、分かってたよ」
――『あいつらが、仁乃を分かってないだけ』
昨日ベッドで、壱が言ったこと。
――『仁乃は、ちゃんと俺を分かってる』
私が分からせてほしかったこと。
――『ちゃんと全部、分かってるだろ』
私がずっと分かってたこと。
私がずっと逃げていたこと。