無気力系幼なじみと甘くて危険な恋愛実験
「ねえ、いち」
「なに、にのちゃん」
「いちのたんじょうび、きのうだったね」
「うん」
「にの、なんできょうがたんじょうびかわかったよ」
「きょうはにのちゃんのたんじょうび」
「いちにはやくあいたかったんだなきっと」
「はやくあいたかった?」
「そう、はやくあいたかったから、にの、いそいでうまれてきたんだよ」
「いそいで?」
「うん、いちはまってたんでしょ、にのを」
「むかしのきのう」
「そう、むかしのきのう。にのをまってた」
「うん、まってた」
「ふふふ」
「にのちゃんがくるのを、まってた」
私の小さな手がその赤を受けとった時の、雪解けのような、2人の笑顔。