無気力系幼なじみと甘くて危険な恋愛実験
それアウトです、壱くん、かわいすぎるから。
心の中でバツ印の札を立てながら。
「はい、落ちつきましたとも」
乱れているであろう前髪を直して言う。
「全然落ちついてなさそうだけど言うね」
「あ…はい…」
どんな時でもマイペースな壱に、もう大人しく返事するしかなくて頷いた。
「仁乃のこと大事だから18まで我慢したけど、高3になったらいよいよ盛りのついたバカどもが学校に群がるだろうし、どこの馬の骨か分かんない男にちょっかい出されてもたまんないし」
盛り…馬…骨…ちょっかい…?
「ここまでしか我慢できない」
壱は射るような目で、私を見据えた。