無気力系幼なじみと甘くて危険な恋愛実験
なにも言えなくて、顔を真っ赤にしたままの私が俯いていると。
壱の右手がそっと私の頬から離れていった。
「……?」
そっと壱を見てみると、壱はパーカーのポケットからなにかを取りだそうとしている。
なんか、嫌な予感。
ちら、ポケットから少しだけ見えた小さな赤い箱の角。
これは………!
まずい………!
ベロアっぽい生地感の赤色の小さい箱、これは…!
「壱!!」
大きな声で名前を呼ぶと、壱の動きが止まる。
ちらりと見えていた箱が、もう一度壱のパーカーのポケットのなかに隠れた。
「それ、なに…?」
私は恐る恐る壱のポケットを指さして聞く。