無気力系幼なじみと甘くて危険な恋愛実験


なにも言えなくて、顔を真っ赤にしたままの私が俯いていると。


壱の右手がそっと私の頬から離れていった。



「……?」



そっと壱を見てみると、壱はパーカーのポケットからなにかを取りだそうとしている。



なんか、嫌な予感。



ちら、ポケットから少しだけ見えた小さな赤い箱の角。


これは………!

まずい………!

ベロアっぽい生地感の赤色の小さい箱、これは…!



「壱!!」



大きな声で名前を呼ぶと、壱の動きが止まる。


ちらりと見えていた箱が、もう一度壱のパーカーのポケットのなかに隠れた。



「それ、なに…?」



私は恐る恐る壱のポケットを指さして聞く。


< 28 / 257 >

この作品をシェア

pagetop