無気力系幼なじみと甘くて危険な恋愛実験
顔色ひとつ変えずに壱が言うので、目ん玉飛び出そうになる。
出たかも、ちょっと。
私は両手で目を覆って、
落ちつけ落ちつけ落ちつけ…と言い聞かせる。
目ん玉も、もとに戻しつつ。
「壱くんは、いつからそんな、ふ、不良になったのかな…?」
「ふつーの男のふつーの欲求なんだけど」
ああっ!?
…よっきゅう?
ああっ!?
混乱する動揺する混乱する動揺する!
私は頭を抱えて言う。
「あのね、そのピアスも!」
「ピアス…?」
壱が眉をひそめて、自分の左耳をそっと触る。
左耳の軟骨にひとつだけ、銀色の小さなリング状のピアスがついているその左耳。