無気力系幼なじみと甘くて危険な恋愛実験
「私と、壱、幼なじみでしょ?普通の幼なじみより距離感近いのかもしれない。だからこう…手っ取り早いっていうのは分かるよ?勘違いもしやすいと思う。でも、だめだよ間違ってる」
「あー…うん」
私の力説をよそに、壱が気だるそうに相槌をうつ。
「真面目に聞いてよ」
「聞いてるよ。…でも、あまりにも想像どおりのこと言うから」
「そ、想像どおり?」
私が聞きくと、壱はうん、と頷いて長くため息をついた。
立てていた片膝を崩し胡坐をかく状態になって、壱は言う。
「つまり仁乃が言いたいのは。恋愛対象にはならないってこと、俺と仁乃が」
私は正座した姿勢のまま、うんうん、と頷く。
まったくベッドの上で向かい合って、なにをやってんだか…。
でもまあ、分かってくれたならそれで…。
「仁乃って本当、なんにも分かってないなぁ…」
壱がぼそりと呟いた。