無気力系幼なじみと甘くて危険な恋愛実験
心外だ…!
壱のことは、世界で一番私が分かってる。
だって、お腹のなかにいる時から隣にいたんだよ?
「分かってなくない!」
「うんじゃあ…」
壱が目を伏せてほんの少しだけ微笑んで。
長い睫毛を上げて、私を見つめて。
「…分かってないってこと、分からせてあげようか」
分からせてあげようか…?
なにを言ってんだこの子は。
さっきから、分からせてあげようとしてんのはこっちなのに…。
「実験してみよっか、仁乃」
壱が続けて言った言葉に、私はぽかんと口を開けた。