無気力系幼なじみと甘くて危険な恋愛実験
新学期の朝。
高校生活最後の1年のはじまり。
今日4月2日、私は18歳になった。
だからってなにも変わらないけど。
急に美人になるわけでも、スタイルがよくなるわけでもないし、頭がよくなるわけでも、運動ができるようになるわけでもない。
マンションのドアを開けて廊下に出ると、壱はいつもどおり、隣のドアにもたれて私を待っている。
黒い髪を目上で軽くセットして華奢な身体に学ランをゆるっと着てぼんやり俯く姿は、うーんどこぞの俳優か?
4月2日。誕生日。
憎々しいくらいかっこいいこの幼なじみに、1日遅れで追いついて歳をとる、それだけの日。
「おはよ」
ドギマギしながら言うと、壱は目を細めて眠たげな顔で頷いた。
見事に清々しいほどにTHE・平常…!
私の睡眠不足とドギマギ返せ。