無気力系幼なじみと甘くて危険な恋愛実験



あれから毎日色んな壱が夢に出てくる。


あれからっていうのは、壱の誕生日の夜から。



夢によって壱は幼稚園児だったり小学生だったり中学生だったり色々で、幼稚園児の壱なんてものすごくあいくるしくてもう夢のなかでしか拝めない姿だから脳内貴重映像で、放映権がついたらものすごい料金設定になるんだけど…

まあそんなことは置いといて、夢のなかの色んな年齢の壱は最後にはいつも18歳の壱になって私になにか言う。



『弁当箱…?あー、4限終わりで速攻返してきたけど』



今日の夢の最後はこれ。


そして私は少し泣いたらしい熱い顔で、ふ、と気の抜けた笑みをこぼす。


その笑みの理由は、お弁当をもらっておいてお弁当箱を洗いもせずに返す壱があまりに壱らしかった、それだけじゃなくて。

壱がサラサラ女子のお弁当箱を家に持ち帰ったりしないことに、安心した、そういうことでもあって。

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