無気力系幼なじみと甘くて危険な恋愛実験




そんなこんなで、ようやく昼食、である。



「お、おいしそおーーーーー」



木製の古びたテーブルの上にドン、と置かれた天津飯に目を輝かせる私。


デートだからって小洒落た隠れ家レストラン、とかだったら嫌だなと思っていたら、さすがは壱、そういうサブいことはしなくてここは、本当の隠れ家みたいな中華料理屋。


普通の女の子は小洒落た感じ、求めるのかな。

私は、嫌だけどな。

壱はそういうの、たぶん分かってくれてるんだよな。



蓮華を手に持ってちら、正面に座っている壱を見ると、満足気な顔で箸を割っているから。

ふ、嬉しくなって笑ってしまう。



「なに笑ってんの」

「んーん。壱のラーメンもおいしそだね」

「でもここは天津飯が一番おいしい」

「そうなんだ」



蓮華をとろんとした卵に差しこんで掬って一口食べると、確かに絶品!天津飯にうるさい私でもほっぺた落ちそう。


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