金蓮者(きんれんじゃ)
アークに移籍しても最初の頃は、みさきの生活にあまり変化はなかった。
変わったことといえば、5、6人に1人だったマネージャーがみさき専属のマネージャがあてがわれたことぐらいだった。
前の事務所から継続であった有名脚本家の連続ドラマへの出演もすることができた。
ただ、前の事務所からは準主役級の役と聞いていたが、重要な役回りだが端役をつとめることになった。
みさきにとっては、女優としてのステップアップとして準主役級は魅力的なものだったので、すごく不満をおぼえた。
それは、アークの事務所で那智夫に強く問いつめるほどのものだった。
「ねぇ! なんで、あたしが端役なんか!」
「えっ? ああ、知る人ぞ知る女優というイメージには、あの役がぴったりだったんだ」
「えっ! どういうこと?」
「歌手として売り出すために知名度は必要だ。しかし、女優が歌手に転身というと、いろいろ言うヤカラもいる。その時にカルト的な知名度は、それを打ち消すのに役立つ。みさきに不利な配役はしていないつもりだ」
那智夫はあっさり言ってのけた。
「有利不利なんて関係ない! あたしは少しでも大きい役がやりたいの!」
変わったことといえば、5、6人に1人だったマネージャーがみさき専属のマネージャがあてがわれたことぐらいだった。
前の事務所から継続であった有名脚本家の連続ドラマへの出演もすることができた。
ただ、前の事務所からは準主役級の役と聞いていたが、重要な役回りだが端役をつとめることになった。
みさきにとっては、女優としてのステップアップとして準主役級は魅力的なものだったので、すごく不満をおぼえた。
それは、アークの事務所で那智夫に強く問いつめるほどのものだった。
「ねぇ! なんで、あたしが端役なんか!」
「えっ? ああ、知る人ぞ知る女優というイメージには、あの役がぴったりだったんだ」
「えっ! どういうこと?」
「歌手として売り出すために知名度は必要だ。しかし、女優が歌手に転身というと、いろいろ言うヤカラもいる。その時にカルト的な知名度は、それを打ち消すのに役立つ。みさきに不利な配役はしていないつもりだ」
那智夫はあっさり言ってのけた。
「有利不利なんて関係ない! あたしは少しでも大きい役がやりたいの!」