これを愛というのなら
「久々に、公園でも散歩して帰るか?」
明日は、定休日でいつもより朝もゆっくり出来る。
だから……手を繋いで、敢えて家とは逆方向の公園を散歩して。
遠回りして帰る。
「夜の公園って、なんか怖くない?」
「そうか?まぁ……少し不気味だよな。灯りも少ないしな」
「うん……今は、蓮が居るから大丈夫だけど……一人は絶対にいや!」
「一人で歩かさないから安心しろ」
うん、と頷いて、繋いでいる手に力を入れると。
梅雨明け間近の生温い夜風が、髪を靡かせる。
「来週さ、3日間くらいランチの時間だけの営業にして。親父とおふくろに任せて、のんびりしようぜ?」
「そうだね。お義父さんも、たまには店に立ちたいって言ってたよ」
「親父が、梓に?」
「うん、今日のお昼ご飯を持って行った時に」
「まったく…立ちたいなら直接、俺に言えよな…」
「言いづらいんじゃないかな。蓮にはつい、偉そうに言っちゃいそうだから」
「なるほどな。ありがとな、いつも」
「私は、蓮の奥さんでしょ。だから当たり前の事をしてるだけ」
そうか、と手に力を込めてくれた。
蓮の大切な人は、私も大切な人なんだよ。
おんぶしてよ?
背中、汗掻いてるぞ?
いいよ。
わかったよ、ほら。
しゃがんでくれた蓮の背中に飛び付いて、腕を首に回すと。
立ち上がった蓮は、汗臭くねぇの?
背中に頬をくっつけて、平気だよ。
蓮の匂いがする。
ならいい。けど、寝るなよ?
大丈夫。今日はね、蓮に甘える日なの。
定休日の前夜だからな。
勝手に梓が決めた日だろ?
そうだよ。
子供がいつか産まれても絶対だよ。
わかってるよ。
うん、愛してるよ。
あぁ、俺も。
大好きな蓮の背中から伝わる鼓動と、温かさ。
じっくり噛み締めたくて、瞼を閉じるとさらに強く、感じられる。
安心する。
蓮?
ん?どうした?
私のどこが好き?
何処だろうな。
全部かな。考えてもわからねぇから。
そっか、私も全部。
そう、全部。
数えたら切りがないから。
明日は、定休日でいつもより朝もゆっくり出来る。
だから……手を繋いで、敢えて家とは逆方向の公園を散歩して。
遠回りして帰る。
「夜の公園って、なんか怖くない?」
「そうか?まぁ……少し不気味だよな。灯りも少ないしな」
「うん……今は、蓮が居るから大丈夫だけど……一人は絶対にいや!」
「一人で歩かさないから安心しろ」
うん、と頷いて、繋いでいる手に力を入れると。
梅雨明け間近の生温い夜風が、髪を靡かせる。
「来週さ、3日間くらいランチの時間だけの営業にして。親父とおふくろに任せて、のんびりしようぜ?」
「そうだね。お義父さんも、たまには店に立ちたいって言ってたよ」
「親父が、梓に?」
「うん、今日のお昼ご飯を持って行った時に」
「まったく…立ちたいなら直接、俺に言えよな…」
「言いづらいんじゃないかな。蓮にはつい、偉そうに言っちゃいそうだから」
「なるほどな。ありがとな、いつも」
「私は、蓮の奥さんでしょ。だから当たり前の事をしてるだけ」
そうか、と手に力を込めてくれた。
蓮の大切な人は、私も大切な人なんだよ。
おんぶしてよ?
背中、汗掻いてるぞ?
いいよ。
わかったよ、ほら。
しゃがんでくれた蓮の背中に飛び付いて、腕を首に回すと。
立ち上がった蓮は、汗臭くねぇの?
背中に頬をくっつけて、平気だよ。
蓮の匂いがする。
ならいい。けど、寝るなよ?
大丈夫。今日はね、蓮に甘える日なの。
定休日の前夜だからな。
勝手に梓が決めた日だろ?
そうだよ。
子供がいつか産まれても絶対だよ。
わかってるよ。
うん、愛してるよ。
あぁ、俺も。
大好きな蓮の背中から伝わる鼓動と、温かさ。
じっくり噛み締めたくて、瞼を閉じるとさらに強く、感じられる。
安心する。
蓮?
ん?どうした?
私のどこが好き?
何処だろうな。
全部かな。考えてもわからねぇから。
そっか、私も全部。
そう、全部。
数えたら切りがないから。