これを愛というのなら
商店街の会合が開かれた日ーーー。
21:30に店を閉めて、片付けをしている所へ。
「蓮!大変だっ!商店街がっ……」
珍しく声を荒げて、息を切らして血相を変えたお義父さんが勝手口から駆け込んで来た。
蓮は、調理台にドンッと手を付いて、お義父さんに掴み掛かりそうな勢いで。
「……商店街が……なんだよ!?」
「……っ…お義父さんも…蓮も落ち着いて!とりあえず座って!」
お義父さんをカウンター席に促して、コップに水を注いで渡すと大きく息を吐いた。
大きな溜め息を吐きながら、蓮もカウンター席に回って。
「親父……もしかして……ショッピングモールの建設予定地になった…とか言わないよな?」
「……何で蓮がすぐにわかったのかはわからないが……その通りだ……」
ウソ!?なんで……どうして?
こうなる事は嫌な予感がしたあの日から、なって欲しくないと願いながらも…ー…わかっていたはずなのに……
口から出た言葉。
蓮は、私に歩み寄ると腰を抱いて引き寄せて……
大丈夫だ、と頭に手を置いてくれる。
たったそれだけで不安が消えて、すっと心が定まる。
私が落ち着いたと感じてくれた蓮は、名前を囁いて、見上げた私の瞳を見て小さく頷いてくれる。
それは、お義父さんに直ぐに気付いた経緯と自分が商店街を失くさない、という想いを伝える事を意味しているのだと感じて、頷き返すと。
「親父……黙って聞いてくれ」
お義父さんの肩に手を置いて、お義父さんの隣に腰を下ろした。
そしてーーー。
商店街を建設予定地にしようとしている大元が、瑠美さんのお父さんの会社“KOBAYASHI”だという事。
奈々枝さんが、瑠美さんから匂わせるような事を聞いていた事。
推測だけど、建設予定地に決まってから商店街の中から味方を着けるために、高校が違う松田くんに目を付けて妹を近づかせた事。
瑠美さんの妹だと気付いたのは、瑠美さんの結婚式がリュミエールで行われて、その際に私が瑠美さんの妹を個人的に接客していたから、私が覚えていた事。
この全てを伝えた。
お義父さんは黙って聞いていて、裕司の件に確証はあるのか?
蓮の瞳を真っ直ぐに捉える。
「ない。だから直接、瑠美に会って確かめる。そして、確証が得られたら大輔と相談して商店街を守る策を練る」
暫くの沈黙が流れて、わかった、と。
「蓮に任せる。ただし、無茶苦茶な事はするなよ。俺とお母さんと唯の心配はしなくていいから、梓ちゃんに危害が及ぶような事はするな、しっかり守れ」
「わかってる。裕司には俺からちゃんと話す。で、商店街の皆は反対なんだろ?」
「もちろんだ!皆、この商店街が好きなんだ。居場所なんだ」
「わかった。それなら俺らに任せてくれるな?」
「頼んだぞ!ただし、出来る事は何でも言えよ」
お義母さんとお姉さんには、お義父さんが話してくれる事になって。
明日の定休日以降は、ランチの営業は落ち着くまでお義父さん、お義母さんとお姉さんに任せて、蓮は商店街のために動く事になった。
21:30に店を閉めて、片付けをしている所へ。
「蓮!大変だっ!商店街がっ……」
珍しく声を荒げて、息を切らして血相を変えたお義父さんが勝手口から駆け込んで来た。
蓮は、調理台にドンッと手を付いて、お義父さんに掴み掛かりそうな勢いで。
「……商店街が……なんだよ!?」
「……っ…お義父さんも…蓮も落ち着いて!とりあえず座って!」
お義父さんをカウンター席に促して、コップに水を注いで渡すと大きく息を吐いた。
大きな溜め息を吐きながら、蓮もカウンター席に回って。
「親父……もしかして……ショッピングモールの建設予定地になった…とか言わないよな?」
「……何で蓮がすぐにわかったのかはわからないが……その通りだ……」
ウソ!?なんで……どうして?
こうなる事は嫌な予感がしたあの日から、なって欲しくないと願いながらも…ー…わかっていたはずなのに……
口から出た言葉。
蓮は、私に歩み寄ると腰を抱いて引き寄せて……
大丈夫だ、と頭に手を置いてくれる。
たったそれだけで不安が消えて、すっと心が定まる。
私が落ち着いたと感じてくれた蓮は、名前を囁いて、見上げた私の瞳を見て小さく頷いてくれる。
それは、お義父さんに直ぐに気付いた経緯と自分が商店街を失くさない、という想いを伝える事を意味しているのだと感じて、頷き返すと。
「親父……黙って聞いてくれ」
お義父さんの肩に手を置いて、お義父さんの隣に腰を下ろした。
そしてーーー。
商店街を建設予定地にしようとしている大元が、瑠美さんのお父さんの会社“KOBAYASHI”だという事。
奈々枝さんが、瑠美さんから匂わせるような事を聞いていた事。
推測だけど、建設予定地に決まってから商店街の中から味方を着けるために、高校が違う松田くんに目を付けて妹を近づかせた事。
瑠美さんの妹だと気付いたのは、瑠美さんの結婚式がリュミエールで行われて、その際に私が瑠美さんの妹を個人的に接客していたから、私が覚えていた事。
この全てを伝えた。
お義父さんは黙って聞いていて、裕司の件に確証はあるのか?
蓮の瞳を真っ直ぐに捉える。
「ない。だから直接、瑠美に会って確かめる。そして、確証が得られたら大輔と相談して商店街を守る策を練る」
暫くの沈黙が流れて、わかった、と。
「蓮に任せる。ただし、無茶苦茶な事はするなよ。俺とお母さんと唯の心配はしなくていいから、梓ちゃんに危害が及ぶような事はするな、しっかり守れ」
「わかってる。裕司には俺からちゃんと話す。で、商店街の皆は反対なんだろ?」
「もちろんだ!皆、この商店街が好きなんだ。居場所なんだ」
「わかった。それなら俺らに任せてくれるな?」
「頼んだぞ!ただし、出来る事は何でも言えよ」
お義母さんとお姉さんには、お義父さんが話してくれる事になって。
明日の定休日以降は、ランチの営業は落ち着くまでお義父さん、お義母さんとお姉さんに任せて、蓮は商店街のために動く事になった。