これを愛というのなら
私が作ったご飯を2人は、美味しい!と食べてくれて。

片付けを済ませた時だった!!!


松田くんのスマホが鳴り響いた!


三人で、スマホ画面を見るとーーー。

友恵。

なんで?

友恵ちゃんのスマホからだけど友恵ちゃんじゃない。

なら、誰だよ?

いいから!早く出ろ!出ればわかる!


「はい、どうした?」


『松田 裕司だな?』


「そうだけど、お前は誰?」


『小林瑠美の夫だ。今、長谷川 蓮と友恵を預かってる』


スピーカーにしてくれているおかげで、はっきりと相手の声が聴こえる。

結婚式に聴いた声じゃない。

背筋も凍るような冷たい声だ。


「二人は無事なんだよな?」


『無事だよ。2人を返して欲しければ1時間半後に、お前達が持っている書類全てを持って“KOBAYASHI”へ来い!裏口で待っている』


電話は、こちらの返事を待つことなく切られてーーー。

やっぱりな、と呟いた小野くんは、急かさず誰かに電話をかけ始めた。


連絡ありました。直ぐに手配お願いします、お義父さん。


しばらく話した後に、電話を切って。


「実はね、ここへ来る前にお義父さんに連絡入れてあったんだ。直ぐに人員を割いて動かすのは難しいからね。前もって連絡しておけば、どうにか出来るってお義父さんが言ってくれてたから」


さすがだな!

松田くん、同感です!

目を合わせて、微笑んだ私に小野くんが。


「梓ちゃんも行くだろ?」


「もちろん!」


「蓮は怒るんだろうけど……ひとりには出来ないし、一秒でも早く蓮に会わせてあげたい!裕司もいい?」


「あぁ!当たり前だろ!俺が、蓮の代わりにちゃんと守るからな!」


「うん!ありがと!」


松田くんが出した手に、私が手を重ねると小野くんも手を重ねて。


必ず助けよう!
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