これを愛というのなら
“KOBAYASHI”に向かうのに、蓮の車のハンドルを松田くんが握ってくれていて。
「それにしても、何で友恵の電話からだったんだ?」
「蓮は指紋認証のロックをかけてるから蓮が触らない限り、取られたとしても解除できないの」
「梓ちゃんの言う通り!でも、蓮に触らせれば解除は出来る。それを敢えてしなかったのは、蓮を縛っているから」
「なるほどな!けどよ、触らせるくらい出来るだろ?」
「指紋認証は、指の状態に左右されるから縛られてる蓮の手で確実にロックを外すのは難しい。わざわざ連絡させるだけなら、友恵ちゃんのスマホを使った方が早いよ。ちなみに蓮のことだから、サイレントのまんま。梓ちゃんの着信には誰も気付いてないよ!」
こんな会話をしている間に、次の信号を曲がったら“KOBAYASHI”だとナビが教えてくれている。
「梓ちゃん。車から降りたら必ず蓮の手を取るまでは、俺の手を握ってて!いい?」
「わかった!」
「アイツ、怒らねぇか?」
「怒ったら怒り返すだけだろ。裕司、そんな心配するより彼女の心配したら?」
そうだよ!
私を蓮の代わりに守るために握ってくれてるんだから。
それで怒ったら私も怒り返す!
「蓮も一緒なんだろ?大丈夫だ!アイツの口が守ってくれてる!」
「口が……って」
まだ身体は震えたままだけど、笑ってしまう。
小野くんはまだ何かを考えてるような気がするけれど、一緒に笑っている。
「だってよ!アイツの口には敵わねぇよ。それに……縛られてたとしても逃げようと思えば、アイツなら逃げられはずなのに逃げないのは……友恵を守るためだろ?」
「うん、きっとね!」
それにね、3人が戦国時代に居たら無敵だよ。
小野くんが戦略を練って、松田くんが先陣を切って、蓮が後方から援護して。
「梓ちゃん、面白いこと言うね」
そうでしょ?
それぞれが、それぞれの役割を果たしてるもん!
車は敢えて、近くのコインパーキングに停めるように指示した小野くん。
確実に帰る手段を確保するためだよね。
“KOBAYASHI”の地下駐車場に停めたら、車に何をされるかわからないから。
「梓ちゃん!」
車から降りた私に二人が手を出してくれて、その手をギュッと握りしめる。
行こう!!!
「それにしても、何で友恵の電話からだったんだ?」
「蓮は指紋認証のロックをかけてるから蓮が触らない限り、取られたとしても解除できないの」
「梓ちゃんの言う通り!でも、蓮に触らせれば解除は出来る。それを敢えてしなかったのは、蓮を縛っているから」
「なるほどな!けどよ、触らせるくらい出来るだろ?」
「指紋認証は、指の状態に左右されるから縛られてる蓮の手で確実にロックを外すのは難しい。わざわざ連絡させるだけなら、友恵ちゃんのスマホを使った方が早いよ。ちなみに蓮のことだから、サイレントのまんま。梓ちゃんの着信には誰も気付いてないよ!」
こんな会話をしている間に、次の信号を曲がったら“KOBAYASHI”だとナビが教えてくれている。
「梓ちゃん。車から降りたら必ず蓮の手を取るまでは、俺の手を握ってて!いい?」
「わかった!」
「アイツ、怒らねぇか?」
「怒ったら怒り返すだけだろ。裕司、そんな心配するより彼女の心配したら?」
そうだよ!
私を蓮の代わりに守るために握ってくれてるんだから。
それで怒ったら私も怒り返す!
「蓮も一緒なんだろ?大丈夫だ!アイツの口が守ってくれてる!」
「口が……って」
まだ身体は震えたままだけど、笑ってしまう。
小野くんはまだ何かを考えてるような気がするけれど、一緒に笑っている。
「だってよ!アイツの口には敵わねぇよ。それに……縛られてたとしても逃げようと思えば、アイツなら逃げられはずなのに逃げないのは……友恵を守るためだろ?」
「うん、きっとね!」
それにね、3人が戦国時代に居たら無敵だよ。
小野くんが戦略を練って、松田くんが先陣を切って、蓮が後方から援護して。
「梓ちゃん、面白いこと言うね」
そうでしょ?
それぞれが、それぞれの役割を果たしてるもん!
車は敢えて、近くのコインパーキングに停めるように指示した小野くん。
確実に帰る手段を確保するためだよね。
“KOBAYASHI”の地下駐車場に停めたら、車に何をされるかわからないから。
「梓ちゃん!」
車から降りた私に二人が手を出してくれて、その手をギュッと握りしめる。
行こう!!!