これを愛というのなら
それからは、シャワーを借りて。

お互いに身支度を整えて。


私が前々から偵察に行きたい、と言っていた式場のフェアに出掛けた。





昨日と同じ、通勤スタイルだからジーンズにチュニックのラフな服装で、靴もペタンコのサブリナシューズ。





160センチない私は、仕事用の5センチパンプスでなければ、背の高い蓮の肩くらいになる。




プライベートで出掛けるのは久しぶりで、久しぶりの目線の高さに若干ドキドキしているのは……




たぶん昨日の今日で、自分の気持ちを自覚したから。





そして蓮は、ジーンズにロールアップできる桜色を基調とした、チェックのシャツ。




それが、かなり綺麗な顔に似合っている。







「なあ…偵察するからには、話を合わせなきゃまずくないか?」





「ああ、そうだね」





式場に着く目前で、何も考えていなかった事に気付いた。




蓮が言ってくれなきゃ、怪しまれていたかもしれない。





とりあえず、適当に私が蓮に合わせる形になった。
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