これを愛というのなら
美容室が経営している式場だけあって、華やかで若い女性が食い付きそうな内装。




ヘアメイク価格は私達の式場より半分。





出して貰った見積もりも基本的なプランだけど、安く収まっていて。




たくさんのプランがあった。







私がどうしても見てしまう着眼点と、蓮の着眼点はやはり違うらしく……





「料理はイマイチだったな」





帰りの車の中で蓮が呟いた。



それは私も同感で同意すると、煙草に火をつけて。





「料金や設備なんかで敵わない分は、料理で客を取ってやるよ」





蓮らしい強気な発言に思わず笑ってしまった。





頼もしいね、と言うと。





「当たり前だ。梓達が決めた客を俺達、厨房が舌で掴んで。協力してやらねぇと潰される」





うん、と頷きながらーー蓮とスタッフ達も同じ気持ちなんだろう、と。





改めて、頑張らなきゃと思えた。




これも蓮のおかげで、私にとって蓮の存在の大きさを実感した。
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