これを愛というのなら
食べ終わってからも、片付けも全て蓮がしてくれて。

蓮も、お風呂に入って。

ベッドボードに寄り掛かったとき。



「俺…梓に…かなり惚れてるらしい…」


そう、思わず吹き出してしまうような告白をしてくれた。

嬉しいんだよ、すごくすごく。


でもね、


「らしいって…」


涙は瞳に溜まっているのに、笑う私に。


なんで笑ってんだよ?と顔を覗き込んだ。


だから、間近にある蓮の唇に、自分の唇を重ねる。


「…今のキスが梓の答えか?」


一瞬だけ、固まった蓮は同じ距離でそう言って。

頷いた、私の唇に次は蓮が唇を重ねて。


ベッドボードに、また背中を預けて。


「いつからなんだろうな…はっきりとはわからねぇんだけど…梓が、今から会いたいって電話越しに言ったとき…」


そこまで言うと、蓮は私の肩に腕を回して、自分の方へグッと寄せた。


そして、、、


俺も会いたいって思ったんだ、と。


「梓が駅の壁に寄り掛かって、しゃがんでる姿を見つけた時。愛おしいな…守ってやりたいって…こんな感情は初めてで、俺は梓に惚れてるんだって自覚した…」


そんな告白が、蓮らしくて。

堪らなく嬉しくて、瞳からは一気に涙が溢れた。


「泣くなよ…」


泣いてる私に気付いた蓮は、肩を抱いたまま涙を拭ってくれるから。


「泣くでしょ?普通に…」


蓮を見ると、俺に惚れてんだな、って。

微笑んだ。


「…もっと…早く言ってよ…言ってくれる前に…キスされたり…抱かれたりしたら…怖かった…」


「悪かったよ…そういう梓も受け入れただろ?」


「…それは…蓮の気持ちがわからなくて…だけど…蓮にキスされた時は…もう好きだったから…自覚したのは、抱いていいか?って言われた後だけど…」


「そうか…言わなかったのは、言えなかったんだ。梓が惚れてくれてんのかわからなかったし…ちゃんと言うタイミング逃して、やることやってしまった手前…嫌われるのが怖かった…」


「私も…蓮の気持ちがわからなくて…蓮と同じように、怖かった…」


「お互いさまだな。まぁ…あの日からは
、遠回しに俺なりに伝えてたつもりだったんだけどな」


「わからないよ…そんなの!じゃあさ、もう一回言ってよ?今度は私にちゃんと!」


「何を?」


「偵察に行った結婚式場で、言ってくれたこと!」


「あぁ…仕方ねぇな。もう二度と言わないからな?」


なんて、言いながらも。

お互いの気持ちを伝え合った後だからか、意外と素直に。


ずっと俺が守るから。


真っ直ぐに私の瞳を見て言ってくれた。


また、私の瞳からは涙が溢れ落ちた。


泣き虫!

と、蓮は涙を拭って。

そっとキスをしてくれた。



「蓮…大好きだよ」


ちゃんと私から好きって伝えると、

知ってる、と。


「梓…大好きだよ」


そう言って、甘い甘いキスをくれた。
< 42 / 186 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop