異世界転生したから、楽しくスローライフを送りたい!!
新生活の始まり

魔力検定を受けたその日は、辺境伯家に戻りルーチェさんやリーネと共に新たな父と母になったクランツさんとマーガレットさんとみんなで辺境伯邸で夕飯を食べて、そのまま眠りについた。

翌朝、目覚めるといつものようにリーネが身支度を手伝いに来てくれた。
その際に、もう一人いるお姉さんに気づくとリーネが言った。

「もう、私も歳ですからね。この子は、ここで働く侍女のミラです。今後は、このお屋敷ではミラがお世話を担当しますからね」

「初めまして、シェーナリンデお嬢様。本日より、わたくしミラがお世話させていただきます」

丁寧な姿勢のミラは、可愛いお顔に亜麻色の髪と淡い緑の瞳の女の子だった。たぶんまだ十代後半だろう。
こんな、中身はアラサー女子にはもったいないくらいの可愛い子。
でも、まだ幼女な私には自分ではままならないこともあるわけで……。

「私は昨日ここの娘になった、シェーナリンデ・ガルムトア。ミラ、今日からよろしくね」

そんな顔合わせの後に、昨日も使った食堂に行けばクランツさんとマーガレットさんの他にミラと同世代の男性と少し年下みたいな少年がいた。

「シーナ。おはよう。よく眠れたかい?」

私に気づいて声をかけてきたのはクランツさん。

「お父様、おはようございます。よく眠れました!」

元気な私の返事に、クランツさんは微笑んでいるし、マーガレットさんも緩みまくった顔をしている。

「シーナ、今日のお洋服もとっても似合っていて素敵! 今日はお母様と一緒に、もっとたくさんお洋服を選びに行きましょう!!」

そんなテンション高いお母様に、若干引いてる若い男子二人。
それでも、気を取り直したのか年長の方の男子が声をかけてきた。

「母さん、昨日急に戻ってこいって言ったんだから。この子に、僕たちを紹介してくださいよ」

そんな声に、マーガレットさんはうっかりみたいな顔をしてから、私を抱っこしたままで紹介する。

「シーナ。今話しかけてきたのが、長男のカインで十八歳。もう一人の方が次男のセインで十五歳。どっちも、あなたのお兄さんよ」

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