異世界転生したから、楽しくスローライフを送りたい!!
お父様に似た穏やかな雰囲気の方がカインお兄さん、お母様に似た活発そうな子がセインお兄さん。
髪の色も、カイン兄さんはお父様の赤茶色の髪色で、セインさんがお母様の金髪である。
瞳はどちらもお母様の青で、そこだけは共通だった。
「初めまして。昨日、ガルムトアの養女になりました。シェーナリンデ、六歳です。抱っこのままで、失礼します」
お母様に抱っこされたままの状態でお話すれば、カインさんもセインさんもにこやかな笑みを浮かべてくれた。
「こちらこそ、初めまして。母さんよりよっぽど挨拶が上手だね。シーナって呼んで大丈夫?」
そんな声をかけてくれるのはカインお兄さん。
「はい、カインお兄様」
私たちのやり取りを見て、セインさんも声をかけてくれる。
「まだまだ、ちっこいなぁ。俺と兄さんは、今は騎士学校に入ってるんだ。なかなかここには来れないけれど、よろしくな」
わしゃわしゃと頭を撫でてくれた。
「はい、セインお兄様」
ニッコリと笑顔で答えると、お兄ちゃん二人はお母様みたいに、整ってるお顔をやや崩れる様に笑みを浮かべた。
私に新たに出来た、兄二人は雰囲気こそ違えど、優しく迎え入れてくれた。
この世界での生家に兄妹はいたけれど、交流のなかった私。
初めてのお兄ちゃんであった。
まぁ、中身アラサーの私には彼らは弟みたいになるのだけれど……。
前世は一人っ子だったし、初めての兄妹。
仲良くできると良いな。
「ちょ、兄さん。めちゃめちゃ可愛いんだけど!」
「セイン、これは大変だぞ。しっかり大きくなるまで守らなければ!! 」
そんな二人に、お父様が一言。
「シェーナリンデは、魔力が大きくてな。ルーチェ様の後継だよ。成人するまでは、我が家とルーチェ様の元を行き来することになった」
その言葉にお兄ちゃん二人は目を見開き、そして頷きあった。
「大切な子なんだね。これから先が楽しみだよ」
こうして、家族の顔合わせが済んだのである。