異世界転生したから、楽しくスローライフを送りたい!!
さて、あなたは手触りの良い自家製ぬいぐるみを抱えて眠った翌朝。
抱き込んでいたぬいぐるみに猫パンチで起こされたら、どうする?
とりあえず、私は声を上げました。
「ひぃやぁぁぁぁ!??」
そんな私の声に、私が抱えて眠っていた黒猫のぬいぐるみはなんと表情すら変えて私に言った。
「まぁ、朝から元気にうるさい事! これが次代の魔女かと思うと、先が思いやられるわねぇ」
うん? ぬいぐるみが動くだけでも驚きだけれど、この子いま喋りました?
「そうしていると、可愛い幼女だけど。もう少し頭を働かせて頂戴よ。中身は大人でしょう?」
えぇ⁉ なんでこの猫は私が中身はアラサーだとご存じ!?
ベッドでわたわたとしているうちに、私の部屋にリーネがやってきた。
「シーナ。叫び声がしたと聞いてきたのですが、どうしました?」
私は部屋に来たリーネを振り返りつつ、動いてしかも浮かんでいた黒猫のぬいぐるみを指し示して言った。
「リーネ! 昨日見せたぬいぐるみが動いて喋るの!!」
そんな私の慌てた様子に、リーネは浮かんだ猫のぬいぐるみを見てもあまり驚いていない。
えぇ、普通は驚くでしょう?
なんで、驚かないのかな?
「あらあら、いたずら好きな精霊さんか妖精さんでしょうか? シーナの作ったぬいぐるみは、心地よさそうでしたものね」
なんともほのぼのとぬいぐるみに声をかけるリーネに私は、ぬいぐるみが動いた原因を知ることになった。
「精霊さんか妖精さんが、このぬいぐるみの中に入っているの?」
そんな私の声に答えるのは黒猫のぬいぐるみに入ったらしい、妖精か精霊だった。
「そうよ。私は闇の精霊。この黒い姿が気に入ってね。中に入っても心地いいから気に入ったわ。しばらくこれを借りるから、なにかの時には私の力を貸してあげても良いわよ」
なんと、闇の精霊さんだったそうです。
さて、これはお父様とお母様にルーチェさんにも報告必須だよね。
「なんか、昨日ルーチェさんのところで作ってきたぬいぐるみが! 起きたら、動いて喋ったの!!」