異世界転生したから、楽しくスローライフを送りたい!!
とりあえず、ご飯を食べに食堂へと移動する。
ぬいぐるみに入った闇の精霊も、一緒に行くことになりリーネとぬいぐるみと一緒に移動して食堂に入ればお父様とお母様が揃っていた。
「おはようございます。お父様、お母様。ご飯の前にお話があります」
私の声に、書類を読んでいたお父様と食事の前に鍛錬していただろうお茶を飲んでいるお母様は私の方を見て、私の隣に浮かんでいるぬいぐるみを見つけると驚いた表情を見せてくれた。
うん、普通驚くよね。
リーネが特殊だっただけなことに、内心で安堵した私は浮かんでいるぬいぐるみを抱き寄せて言った。
「昨日作ったぬいぐるみに、闇の精霊さんが入ったみたいです。しばらくこの子も一緒に過ごします」
抱っこして見せつつ言うと、黒猫のぬいぐるみ姿の闇の精霊さんも一言。
「気に入ったから、しばらくこの姿でこの子と一緒にいるわ。よろしくね」
お父様とお母様がしばらく固まったのは言うまでもありませんでした。
やっぱり、これって普通じゃないよね。
リーネの状況把握と適応能力の良さが、すごすぎただけだよね。
とりあえず精霊さんはご飯は必要ないとのことだけれど、人間の食事に興味があるようで私の肩に乗って私の食事を眺めていたのだった。
闇の精霊はぬいぐるみに入ってしまうほどには、好奇心旺盛なタイプの精霊さんらしい。
あと、たぶんややツンデレ属性だよね。
可愛いし、猫の姿にも合ってるから良いと思う。
こうして食事の後には、私は森のお家のルーチェさんのところにもぬいぐるみ連れで向かうのだった。
森の家にたどり着く前に、珍しいことにドアを開けてルーチェさんが待ち構えていた。
「あぁ、やっぱりシーナのところに行ったんだね。昨晩、精霊が動く気配を感じたんだよ。しかし、闇の精霊は相変わらず好奇心の塊だねぇ」
ルーチェさんには、このぬいぐるみの中にいる精霊がだれか分かっているらしい。
「だって、これ居心地良い上に可愛いんですもの!! 使ってもいいでしょう?」
猫のぬいぐるみが上目遣いで、尻尾を振りつつ言う姿は猫好きには悶絶ものでした。