異世界転生したから、楽しくスローライフを送りたい!!

「まぁ、作った本人のシーナが問題なさそうだから良いんじゃないのかい? ねぇ、シーナ」

そんなルーチェさんの問いかけに私はブンブンと首を縦に振って、同意の意思を表したのだった。
これは、早急にお仲間が欲しいと感じる私。
すっかりモフモフ可愛いぬいぐるみの虜である。

「今日もなにか作るのかい? 生地も綿も、あるものは好きにお使い」

そんな言葉を受けて、私は調子に乗りました。
えぇ、まさか作りあがってすぐに次のぬいぐるみまで動くとは……。

私は、黒猫のぬいぐるみの対になる様に今度は白いファーで羽根つきのウサギを作った。
今回も納得の出来栄えだったのだけれど、まさかルーチェさんに見てもらう前に動き出すとは。
さすがに気配で私が言葉にするより早く察知したルーチェさんが、調合部屋から出てきた時にはふわふわ浮かんだウサギも仲間入りしていたのである。

「おやおや、対だとはいえ闇のと光のが揃ってしまったのか。シーナはもしかしたら精霊に好かれるのかねぇ」

そんなルーチェさんの言葉に、真っ白なウサギのぬいぐるみは嬉しそうに跳ねつつ話し始める。

「だって、闇のだけズルイじゃない!! 私だってこの子と仲良くなりたいし、一緒に過ごしたいと思ったんだもん」

そんなウサギさんに私も声をかける。

「仲良くしてくれるの? それは嬉しいよ。よろしくね、光の精霊さん」

さっきルーチェさんが光のって言ってたからそうだろうと思って声を掛ければ、ウサギのぬいぐるみは嬉しそうに跳ねて私の腕に収まった。

「そうよ! 私は光の精霊なのよ! このぬいぐるみ、居心地よくって気に入ったわ! だから、私も闇のと一緒にあなたとしばらく一緒にいるわね」

決まりって感じに告げる光の精霊さんは、明るくって闇の精霊さんよりちょっと幼い感じのイメージだ。
そして、元気も良さそうにぴょんぴょん跳ねている。
浮かぶことも出来そうだけどなと思っていたら、黒猫がウサギにアタックしていった。


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