異世界転生したから、楽しくスローライフを送りたい!!
さてさて、その日の夕方やっぱり二匹のぬいぐるみを携えて戻った私にお父様とお母様は驚いたし、二匹目は契約精霊になったと言えばさらに驚いていた。
けれど、落ち着いたお父様は私に言ったのだった。
「魔力の多いもの、その能力の高いものは精霊に好かれやすい。シーナもそう言うことなんだろうと思う。 しかし、最初の契約精霊が光のだとは」
そんなお父様に、黒猫の闇の精霊が反応して言う。
「光のは二番目。一番最初の契約精霊は私よ」
闇の精霊が言うので、お父様とお母様となんなら契約したと思ってなかった私も驚いた。
「だって、シーナは昨日眠る前に私にクロちゃんって名付けたもの」
ふおぉぉん。
確かに、黒猫だからクロちゃんと安直に呼びました!
それ、名づけになってたのかーい。
気づかなかったよ。
そんな私にクロちゃんは言う。
「光のと違って、契約しても派手に光ったりしないからね。私は、闇の精霊だし」
さて、そんな闇の精霊の特徴は催眠魔法だという。
悪夢もいい夢も思いのままに操れるそうだけれど、私になら予知夢も見せられるんだって。
なんだ、そのすごいスペックは……。
予知夢に光魔法で治癒魔法出来るようになる幼女とか、ねぇ……。
これなんかヤバいフラグ立ってないよねぇぇぇ?!
内心でうろたえつつも、リーネにまたもお世話されつつ私は二匹をしっかり抱きしめて眠ったのだった。
幼女にはいろいろと整理できずキャパオーバーなのよ。
そういう時は寝るに限ると言うことで、精神と肉体の疲れからベッドに入って秒でおやすみなさいでした。
そう、中身はアラサーでも私は六歳の幼女なのである。
成長にも、睡眠って大事だよね!
そんなわけで、考えなきゃいけないことは分かっていても今は逃避させてもらうのでした。
くうくう、ぴぃぴぃ。
そんな寝ている私を、クロちゃんとユキちゃんは眺めて言った。
「次代の魔女は、この先苦労するわ。最初の苦労くらいは、私たちで飛ばしてやりたいわね」
「そうね。私たち高位精霊にも気づけないようなおバカさんたちには、もう加護も祝福も与える気はないわ」
そう、この二人は前のお家にいた時。
それこそ、産まれたころから私を見守っていたのだった。