異世界転生したから、楽しくスローライフを送りたい!!
「可愛いのを作ってくれたわね。ありがとう。私は風の精霊よ。私にも名前を頂戴な」
ふわふわと軽やかに飛ぶ小さな白い鳥。
口調は軽やか、でもユキちゃんよりしっかりした感じを受ける。
「ふうちゃん、よろしくね」
安直名付けと言うなかれ。
分かりやすい名前が一番だと思うんだよ!
結構大事、分かりやすいってところ。
「私はふうちゃんなのね。ありがとう」
さて、大変ぬいぐるみたちも賑やかになりました。
猫にウサギにクマに小鳥と。四体のぬいぐるみに入った精霊が私の側で沢山お話してくれる。
可愛い極まりない……。
天国はここにあったか。
この子達は、自分の望みを最大限引き出して作ったと思える力作だよ。
次に戻ったらお父様とお母様にまた驚かれそうだけれど、まぁもう慣れてくれるよね。
たぶん、大丈夫だ。
お父様もお母様も、なんだかんだ不測の事態に動けるタイプだからね。
さて、可愛いふうちゃん、ゆきちゃん、クロちゃんにサラちゃんの四体と楽しく話しながらルーチェさんのおうちでお昼ご飯の準備です。
ルーチェさんは薬草からの薬作りに集中すると、結構な確率でご飯を忘れる。
私はそんなルーチェさんに気づいてからは、ここに来る日はガルムトアの料理長さんに簡単に摘めるランチを頼んでいる。
なので、準備は簡単。
持ってきたバスケットからご飯を出して、お茶の準備が出来たら調合室で熱中して時間を忘れているルーチェさんに声をかけるのだ。
「ルーチェさん。お昼の準備が出来ましたよ。休憩にしましょう?」
このときに、甘いものを忘れてはならない。
薬草の匂いや薬の匂いが独特だからか、ルーチェさんは甘いものに目がなくて、匂いで移動してきてくれる。
これも、一緒に過ごすようになって発見したのだ。
今日はサンドイッチとともに、美味しそうなプディングも一緒に料理長さんが作って持たせてくれたのだ。
「今日のランチは何かしら?」
出てきたルーチェさんに私は笑顔で答える。
「今日はサンドイッチにプディングですよ。お茶も入れましたからね」