異世界転生したから、楽しくスローライフを送りたい!!
「そうだね。私もここにきてお父様とお母様に会って、親って本当はこんな感じなんだって思ったの」

私の話に、みんなは頷いてくれる。


「だからね、ウォレント侯爵家に戻るつもりは無いの。だって、思い出も思い入れもないんだもの。あの家には、大切なものはどこにもなかったのよ」

そんな私の言葉に、精霊たちは私にくっついてきた。
モコモコの塊になった私にルーチェさんが言う。

「ここでは、大切なものはできたかい？」

その問いに、私は満面の笑みで答える。

「お父様にお母様、お兄様にルーチェさん。そして可愛い私のそばに居てくれる精霊たち。ここで出会ったみんなとリーネは大切なの」

私の返事をルーチェさんはにこやかに受け取り、そして言った。

「この森で今日は泊まっていれば、クランツ達がきっと追い返してくれるよ。でも、もしも自分の口からハッキリしたいなら私は止めない」

ルーチェさんは分かっているのかもしれない。

私にとってこの世界で感じた寂しさや悲しさ。

だから、私はそんなルーチェさんに笑いつつ返事をした。

「お父様とお母様は関わらせないと思ってくれたんだよね？」

「あぁ、そうだろうね。親は、子どもを慈しみ守るためにあるようなものだろうからね」

その言葉に私は胸の溢れる温かさを感じで、手を当てて言う。

「うん。それは嬉しいし、わかっているの。でも、私は自分の言葉で伝えたい」

私の決意を受けて、ルーチェさんは頷くと言った。

「そろそろ着く頃だろうね。それなら私も一緒に行こうか。だって私はシーナの師匠で、ばあばだからね」

有難いけれど、ルーチェさんの見た目でばあばは違うと思う。
たしかに年齢だけなら、おおばあばなんだけれどね。

こうして私はランチの片付けを終えると、ガルムトア家の方へと戻ることにしたのだった。

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