異世界転生したから、楽しくスローライフを送りたい!!
そろそろ、もう良いよね?
「あのね。そもそも産みっぱなしで、人任せで顔も見に来ない世話もしない、話もしないで親子なわけがないでしょうが。寝言は、寝て言いましょうか?」
六歳の幼児からすらすら出てきた言葉に、実の親は理解能力が追い付かない模様。
再び、ポカーンしています。
いい加減、見飽きたよ……。
「世話もしない、必要最低限の物だけ与えて人任せで、出生届も出されていなかったんだよ? それでよく親ですって言えたね。 私はあなたたちを親だと思いません。 ただ産まれに関わった人ってだけです。親子の関係性皆無だもの」
私の言葉に、早く反応したのは産んだ母親の方だった。
「仕方ないじゃない、私は産んですぐに倒れてしまったのだし。その後、身体の回復にも時間がかかったのよ!」
へぇ、それ、六年もかかりました?
「そうですか。私が二歳になる前には、私の兄妹と庭でお茶をたしなんだりしておられましたよね? 私の部屋から良く見えておりましたよ」
まさか、そんな言葉が返されるとは思ってもいなかったようでぎくりと身をすくませる母親。
「しかも、その時には小さな赤ちゃんも抱いていました。私の妹か弟ですね。 次の子産めるだけ回復していて、会いにも来なかったんですよね?」
ニッコリと笑顔を向けると、もう震えが止まらないし言葉も出ない様子。
仕方ない、次はこっちかな。
「お父様に至っては、元気でも一度も会いに来たことはありません。生まれてから、今が初めての顔合わせです。 これでどこが親子なのです? 私は愛されることも、慈しまれることも、抱っこすらあなた方にされたことはありません」
はっきりとした私の口調に、父親の方も反論できないままだ。
「私は、ここに来て初めて親の温かさや、優しさ、兄弟とのかかわりを知りました。私はシェーナリンデ・ガルムトア。ガルムトア辺境伯家の末娘で、この地の緑の魔女の後継者です。この地に根を張りここで終わる。 あなた方とは帰りません」