異世界転生したから、楽しくスローライフを送りたい!!
私のきっぱりとした態度と言葉に、とうとう開いた口から出たのは今更の言葉。
「お前は、本当に六歳なのか?」
そんな問いかけに、とうとう大人しくしていた四匹が動き出す。
「あんたたちが、バカなだけよ。お前たちの土地は、もう妖精も精霊も見放した。あとは枯れるだけの土地だよ」
そう言ったのはクロちゃん。
ぬいぐるみが動き話す様子に、ウォレント夫妻は驚いている。
「そうね、あなたたちの土地には私たちがシェーナの守護で居たのに。 この子を大切にせず、土地から追い出したりしなければよかったのよ。 見抜けず、大切にしなければいけない子を放置した罪は重いわ」
この言葉は、ユキちゃんだ。
「そうね。精霊の愛し子にこんな仕打ちをした人間は初めてよ。精霊に見放されるのも頷けるわ」
辛辣に返すのはサラちゃん。
「光と闇の精霊は産まれた時からシェーナを守護していたのに、その存在に気づかないままにシェーナを蔑ろにした罪は重いわ」
そして、最後、部屋の片隅で見守っていたルーチェさんが言った。
「それに、この子がしっかり魔力検定を受けていたら、どっちみちガルムトアのこの森に来ていたよ。私の後継としてね」
その言葉に、ウォレント夫妻は部屋の隅で見守っていた夫人が、この領地の魔女で今いる魔女の中で一番長い事生きている緑の魔女だと気づいたようだ。
「でも、この子は私たちの……」
うん、まだ理解できないのね。
「そもそも私はあなたたちを親だと思ってないわよ。産まれた時から前世の記憶のある、中身は大人だったからね。だから、自分の状況はよく分かっていたの」
私のとどめともとれる発言に、とうとうウォレント夫妻は顔色をなくした。
連れ帰れるわけがないのだ、だって自分たちは産んでから何もしていないのは私がしっかり理解していて認めていないのだから。
「ウォレント領は、他に赤の魔女の後継が見つからなければそのまま枯れるでしょう。精霊の加護は私が生きている間は与えられない。 自分の子ども達にしっかり話して受け継がせてね」
がっくりとうなだれたウォレント夫妻は、自領の森が枯れるという確定要素だけを持ち帰ることになった。
自業自得だとは思うけれど、それはもう仕方ないと思う。
言いたいことが言えたので、私はすっきりしたけれどね。