異世界転生したから、楽しくスローライフを送りたい!!
「シーナ、この子が私たちは気に入ったわ」
セインお兄様の肩や頭に止まった子たちは、そうやらセインお兄様を気に入った模様。
「そうなの? じゃあここにお兄様がいる間は一緒にいたらいいんじゃないかな? セインお兄様、いいですか?」
私の問いかけに、やっとハッとしたセインお兄様は私を見て、その後自分にくっ付いてる鳥を見て私に言う。
「いいのか? 俺は精霊が一緒にいたいって言ってくれるのは光栄だけれど」
ちょっと戸惑いを隠せないままに言うセインお兄様に私は頷いて答える。
「うん。基本的にこの子たちの自由にしてもらっているから」
私の返事にセインお兄様は頷いて、とりあえず驚きは落ち着いたらしい。
カインお兄様にもクマさんとウサギさんがついている。
「私たちはこの子が気に入ったわ」
土と木の精霊はカインお兄様が気に入ったらしい。
「カインお兄様のことも、その二人が気に入ったらしいので良かったら一緒に過ごしてあげてください」
増えた子たちは私の家族にお気に入りを見つけると、その気に入った人の側で過ごしたがるようになった。
ウサギの一匹はルーチェさんに、クマの一匹はお父様に、猫の二匹はお母様に、鳥の一匹はリーネと言った感じだ。
最初の四匹は基本私と一緒だけれど、あとから増えた子はそれぞれお気に入りの人を見つけていく。
お兄様が帰宅したことで、まだお気に入りの人を見つけていなかった子達もお兄様を気に入る子が出たようだ。
精霊も性格があり、気に入った人の側が心地よいらしくその人の側で過ごすらしい。
ぬいぐるみに入るような子たちは基本、好奇心が旺盛なタイプで活発な子が多い。
そんな子達でも、気に入った相手を見つけるのは至難の業なのだとか。
そもそも精霊にとって心地よい相手が年々減っているのだという。
それで少しでも、人に会う機会が増えたらいいなと思っていたところに心地よい入れ物の気配を感じて寄って来たというのがぬいぐるみに精霊が入ったきっかけだとクロちゃんに教えられた。