異世界転生したから、楽しくスローライフを送りたい!!
そんなわけで、家族が集まるとぬいぐるみももっさり勢ぞろいとなっております。
私一人でも四匹連れてるからね、大所帯です。
両親に止められた後は増やしていなかったので、まだマシだと納得してもらいましょう。
こうして帰ってきた兄たちは朝は早起きして鍛錬を辺境の騎士団と共に行い、起きてきた私と一緒に朝食を摂る。
そのあとは、魔法を教えてくれたり、ルーチェさんの魔女の森で薬草をとったり、泉で水遊びをしたりと楽しく過ごしていた。
前世でもあった、子ども時代の楽しい夏休みってものを謳歌していたのだ。
これぞ、望んでいた平和なスローライフ。
子どもらしく過ごす、休暇である。
毎日、沢山遊んで、そんな中でも昼寝をした後はお勉強の時間もあった。
この国の歴史、貴族のしきたりと、礼儀作法。
今まで学べなかったことをどんどん、吸収していく。
中身は大人でも、身体は子どもなので幾分子どもよりに引っ張られつつ過ごす日々。
前の家より、断然楽しく過ごせるガルムトア家に私はすっかり馴染んでいった。
「カインお兄様はもうすぐ戻ってくるの?」
私の問いかけにカインお兄様は答えてくれる。
「あぁ、今年で騎士学校も卒業だ。卒業したらこの領地の騎士団に入るから戻ってくるよ」
嬉しい返事に私は自然と表情が緩んでしまう。
そんな私を見てセインお兄様は悔しそうにしている。
「あぁ、俺も早く卒業したい。シェーナと一緒に過ごす時間は楽しいし、早く領地に戻りたいよ」
セインお兄様は去年入ったので、残りは来年まででもう少し騎士学校所属のままだ。
今日はランチ用のバスケット持参で、薬草をとりつつ森の中のことを兄たちから教わっていた。
食べれるキノコ、毒キノコ。
一角ウサギに、キツネやタヌキにイノシシ。
食べられる木の実や薬草の種類。
セインお兄様もカインお兄様も小さなころからこの森には入っていたらしく、詳しい。
森のことは魔女であるルーチェさんから教わったらしい。
辺境伯の子どもは、その立地から魔女と共に森を守るものとして森のことはしっかり学ぶらしい。