異世界転生したから、楽しくスローライフを送りたい!!
たどり着いた森は、穏やかな空気の流れる、美しい森だった。
野生の動物に、妖精達がちらほらと飛んでいるし、動物も妖精も楽しそうにしている姿が見られる。
「リーネ。わたし、この森が好きだわ」
そんな私の言葉に、リーネは穏やかな表情で周囲を見つつ、返事をくれる。
「私も、この森が大好きなのです。シーナ様も気に入ってくださって、良かった」
そうして、手を取り合って周囲を眺めつつ、ゆっくりと森の中を進む。
しばらく歩いた森の中で、泉のほとりの側に小さめのログハウス風のお家を見つけた。
自然の中に違和感なく経つ、その家は外から見ていても温かみが感じられた。
「さぁ、ルーチェ様に会いましょう」
どうやら、この森の魔女さんの名前はルーチェさんと言うらしい。
どうか、受け入れて貰えますように。
実の親に捨てられるという、なかなかのハプニングに見舞われている私。
小さな希望を抱き、リーネと一緒にログハウスの玄関のドアを叩いたのだった。
『トントン』
「はいはい」
穏やかな声音の返事から少し、玄関のドアが開く。
すると、ドアから出てきたのは、穏やかな表情でこちらを見つめる、四十代くらいの女性だった。
「あらあら、珍しいお客様だこと。リーネは、久しぶりだね」
穏やかな女性は、リーネと私を見てそう声をかけて、室内へと招いてくれる。
「さぁ、お入り。疲れただろう?」
通されたログハウスの中は、花や草の香りがたくさんするのに不快感はない。
不思議と落ち着く香りで、中にある家具も木のぬくもりが感じられる、温かみのあるもので揃えられていた。