異世界転生したから、楽しくスローライフを送りたい!!
魔女の集会 王都魔女の塔にて
一難去って、また穏やかな日々を過ごしていたシーナにルーチェさんが唐突に告げたのは王都への旅行日程だった。
「シーナ。来週から一週間、セインと一緒に王都へ行くよ。王都で私と一緒に魔女集会に参加するんだ。そこで私の後継ぎだと紹介するからね」
ガルムトアで二度目の春を迎えたシーナに、ルーチェさんはそう言い出したのだった。
「それ、私に拒否権無いやつだよね?」
私は思わず問いかけた。
ルーチェさんはとびっきりの笑顔で返事をした。
「もちろん、括り付けてでも王都へ行くわよ」
そんなわけで、セインお兄様が騎士学校に戻るのと同じタイミングで一緒に王都へと行くことになりました。
現在この国にいる魔女はあと青の魔女である。
彼女は海沿いの領地の森の魔女で、森の一部は海に面して、少し独特な街並みが広がった領地となっている。
今回は王都での顔合わせとなったが、出来れば今度はゆっくり青の魔女の森も見学したいものである。
魔女集会は定期的に二年に一度、開催されているもので魔女という特徴からなかなか友人や会って話す相手もままならない環境にいる者へと、王族からの提案で決まったらしい。
どうやら現在の王の二つ前には、この仕事俺には無理って言葉にした。
そうとう辛かったらしく、自室に戻るたびに愚痴をこぼし続けたのだそう。
そんな彼が魔女の方が理解者も少ないかもしれない。
そう考えて、彼は自分の国も魔女が幸せであってほしいと願って決めたのが二年に一回集まる魔女のための集会なのである。
そして、そのための集会場をポーンと王宮内に二代前の王様は、魔女の塔を建ててしまった。
今もなお王宮の片隅にあるのだ。
二年に一度の魔女の集会には子ども達があまり参加しないから、今年は私がいるのでルーチェさんが早々に騒がしくなったら叱ってくれと指示を出していた。
ちょっと理不尽すぎやしませんか? と私が考えたのは仕方ないと思う。
こうして私たちを乗せた馬車は三日目最後のとろとろカレを囲みつつも王都内へと入っていったのだった。