異世界転生したから、楽しくスローライフを送りたい!!
魔女が三人そろうと、みんなで塔の中のサロンへと移動した。
そこで青の魔女さんがお茶の準備を、その横でルーチェさんが軽食の準備を始めた。
ちょうど、時間はおやつに近い時間になっていた。
その間、私はサロンの椅子に座って待っている。
「この間は会えなくて残念だったわ。 私も気づかなかったのだけれど、あなたの環境はひどかったのね。ウォレント家のことまで回らなくて悪かったわ」
なんと、赤の魔女さんが謝ってきたので私は驚いた。
「今の侯爵とは、あの子の性格に私がついていけなくて疎遠にしてしまっていて。本来魔力の大きな子が生まれたら、私が手伝いに行くものなのに。あの子達も私に知らせなくて、気づけなくて」
どうやら後悔しているらしい赤の魔女さんに私は聞いた。
「どうして私のことを知ったの?」
私の疑問に赤の魔女は丁寧に教えてくれた。
「魔女はね、元々精霊との通訳みたいなものなの。森には多くの精霊が暮らしていて、その恵みを与えてくれているわ。 だから、教えてくれたのよ。でも、その時にはウォレントの領地から出た後でね」
申し訳なさそうな赤の魔女さんに、私は首を横に振って返事をした。
「あの、親ですもの、仕方ないです。 思ったより赤の魔女さんがお話しできる方で、お会いできて良かったと思います」
そんな私の返事に赤の魔女さんは、今日やっと表情を緩めて笑みを見せてくれたのだった。
「話は着いたかしらね? 赤のもあの侯爵では大変ね」
そんな風に声をかけたルーチェさんに、赤の魔女さんはため息をつきつつ返事をする。
「えぇ、闇と光の精霊を怒らせているし、私が居なくなったあとはウォレントの森は枯れるでしょうね」
その答えに疑問を持ったのは私だ。
「でも、赤の魔女さんに次代が出来れば森は枯れないのでは?」
それには青の魔女さんが教えてくれた。
「精霊の怒りに触れてしまった森は、いくら次の魔女が見つかっても枯れる未来は変わらないわ。精霊は森を支える、大切な存在なの。それが怒って、そっぽ向いてしまったら森はその生命活動を維持できないのよ」
そしてルーチェさんが教えてくれた。
「精霊は森にとっての心臓なのよ」