異世界転生したから、楽しくスローライフを送りたい!!
私の緊張は目に見えたらしく、ルーチェさんはくすくすと笑うと穏やかに言う。
「そんなに、緊張しなくていいよ。お嬢ちゃんは、その魔力に振り回されてしまったんだろう?」
そんな風に、こちらを見ながら言うルーチェさんにリーネが話し始めた。
私が生まれた時から魔力が多くて、周囲に溢れさせるほどの力があったこと。
私の両親は貴族だけれど、あまり魔力を持っていないこと。
先祖返りで大きな魔力を持った私に、近づくことすら出来なかったこと。
産んですぐの母親は、魔力に当てられて肥立ちも悪く、半年寝込んでいたこと。
その後も三歳まで、私の身の回りはリーネのみだったこと。
そして、六歳の魔力検定日。
母親が倒れたごたごたと、自分たちが近づけなかったことで疎ましさもあったらしい。
なんと生まれた届けが国に出されていなかったことが判明し、そのまま私は捨てられることになったこと。
六年面倒見てきた、孫のような子どもが捨てられるなんてとリーネは任されたことを上手く使い、ここまで来たことをルーチェさんに話した。
すべてを聞いたルーチェさんは、ふぅと大きなため息を一つ零すと言った。
「愚かな親もいたことね。最近はここまで魔力の大きい子どもも、少なくなって貴重だというのに」
そして、ルーチェさんは私にも分かりやすいように話してくれた。
魔女とは、森と調和し、自然を慈しみ、生けるものの調和を担う者。
この世界での森の管理者であり、森の守護者である。
一応、森の数だけ魔女が存在する。
しかし、近年森を開き、生き物を狩り、いろんなものを作り始めた人間は、森の資源を奪ってばかりで、森が減っていること。