僕は愛した人の悪役
そんなことを気安く話していいのか、と僕は不安を覚える。そしてチラリと遠藤先生を見た。でも、遠藤先生の顔は僕が想像した顔じゃなくて優しい顔をしている。それに驚いてしまった。
「あたしのお姉ちゃん……じゃなかった!お兄ちゃんもあんたも同じでさ、生理とか女の子にしか話せないようなことを女子の輪の中に入って聞いてる時寂しそうな顔をしてたの。だからピンと来たんだ」
お兄ちゃん、やっと男になれたって前にすごく喜んでた。そう言って香織は笑っていた。ああ、香織のお兄さんは悪役じゃなかったんだ。
「性別のことはさ、無理しなくていいんだよ。無理をするだけ辛いんだ。お兄ちゃん、ずっとお母さんたちに言えなくて、でもこのままじゃダメだって「男になりたい」って言ったんだ。そしたらちゃんと笑えるようになった」
香織は僕に本当のことをみんなに伝えてって言いたいんだ。でも、そんなの無理だよ。
「僕の親はさ、そんなの認めてくれない。みんなだってそうだ。だって僕は前の学校でこのことがバレていじめられたんだから!」
「あたしのお姉ちゃん……じゃなかった!お兄ちゃんもあんたも同じでさ、生理とか女の子にしか話せないようなことを女子の輪の中に入って聞いてる時寂しそうな顔をしてたの。だからピンと来たんだ」
お兄ちゃん、やっと男になれたって前にすごく喜んでた。そう言って香織は笑っていた。ああ、香織のお兄さんは悪役じゃなかったんだ。
「性別のことはさ、無理しなくていいんだよ。無理をするだけ辛いんだ。お兄ちゃん、ずっとお母さんたちに言えなくて、でもこのままじゃダメだって「男になりたい」って言ったんだ。そしたらちゃんと笑えるようになった」
香織は僕に本当のことをみんなに伝えてって言いたいんだ。でも、そんなの無理だよ。
「僕の親はさ、そんなの認めてくれない。みんなだってそうだ。だって僕は前の学校でこのことがバレていじめられたんだから!」