僕は愛した人の悪役
僕は前の学校で同じ部活だった男子に恋をした。手をつなぐだけできっと気持ち悪がられる、そう思ってこの気持ちは封印していた。でも、抑えきれなくなって、その人がいない隙に僕はその人のユニフォームを抱き締めてしまった。

それから、学校中に「あいつ、ホモらしいぜ」って噂が流れて「気持ち悪い」といじめられるようになった。僕はその人にとっては迷惑で気持ち悪い存在だったんだ。

「もう死にたい……!こんな人生を送るくらいなら、生まれなきゃよかったんだ!」

叫びながら僕は泣いていた。子どもみたいに泣いた。今まで、「男なんだから泣くな」って言われてきたから泣き方を忘れてしまっていた。だから、涙の止め方がわからないんだ。

「村田さん」

僕はふわりと遠藤先生に抱き締められる。香織には頭を撫でられていた。とても、温かい……。

「ずっと苦しい思いをしていたのね。大丈夫、きちんと村田さんの思いが伝えられるように私たちがサポートするわ」
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