僕は愛した人の悪役
もうすぐ文化祭だ。僕らのクラスは「執事・メイド喫茶」をすることになった。女子は可愛いレースのついたエプロンをつけてスカートのメイドさんになって、僕は体は男だから執事の黒いスーツ。わかってはいたけど、やっぱり嫌だ。
でも、今さら「性同一性障害です」だなんて言えない。こんなことを言ったら親には怒られるだろうし、またいじめられるかもしれない。
文化祭の準備をしながら僕はため息を吐く。他のみんなは休憩がてらコンビニにジュースやお菓子を買いに走って行った。
「力……」
名前を呼ばれ、僕は作業の手を止める。衣装作りが担当の香織が真剣な顔をしていた。
「どうしたの?香織」
僕がそう言うと、香織は「これ着て!!」と袋を手渡す。その中に入っていたのは女子が着る予定のメイド服だった。でも、僕にぴったりのサイズで作られている。
「あんたの分だよ。あんた、本当はこっちが着たいじゃないの?」
香織に言われた言葉に僕の心が震える。どうしてわかったんだろう。でも、僕はーーー。
でも、今さら「性同一性障害です」だなんて言えない。こんなことを言ったら親には怒られるだろうし、またいじめられるかもしれない。
文化祭の準備をしながら僕はため息を吐く。他のみんなは休憩がてらコンビニにジュースやお菓子を買いに走って行った。
「力……」
名前を呼ばれ、僕は作業の手を止める。衣装作りが担当の香織が真剣な顔をしていた。
「どうしたの?香織」
僕がそう言うと、香織は「これ着て!!」と袋を手渡す。その中に入っていたのは女子が着る予定のメイド服だった。でも、僕にぴったりのサイズで作られている。
「あんたの分だよ。あんた、本当はこっちが着たいじゃないの?」
香織に言われた言葉に僕の心が震える。どうしてわかったんだろう。でも、僕はーーー。