僕は愛した人の悪役
「香織、僕は男なんだよ?こんなの着れない……」
冗談キツイな、と笑いながら袋を返そうとする。するとその手を掴まれて僕は無理やり走らされた。
「か、香織!?」
どれだけ呼びかけても香織は足を止めない。陸上部に所属してるからか足が速いし、僕の手を握る力もめちゃくちゃある……。
僕は保健室に連れて来られた。養護の遠藤(えんどう)先生が「あら、いらっしゃい」と微笑む。僕は椅子に座らされて、香織に肩を強く掴まれた。
「香織、まだ準備が途中なんだけど……」
混乱している僕に香織は「単刀直入に聞く」と言い、ずっと僕が怖いと思いながらも望んでいたことを口にしてくれた。
「あんた、性同一性障害じゃないの?」
「何で……」
見たらわかるよ、と言い香織は笑う。話を聞くとどうやら香織のお姉さんも僕と同じで性別に違和感を覚えていて、最近性転換の手術を受けたらしい。お姉さんがお兄さんに変わったんだ。
冗談キツイな、と笑いながら袋を返そうとする。するとその手を掴まれて僕は無理やり走らされた。
「か、香織!?」
どれだけ呼びかけても香織は足を止めない。陸上部に所属してるからか足が速いし、僕の手を握る力もめちゃくちゃある……。
僕は保健室に連れて来られた。養護の遠藤(えんどう)先生が「あら、いらっしゃい」と微笑む。僕は椅子に座らされて、香織に肩を強く掴まれた。
「香織、まだ準備が途中なんだけど……」
混乱している僕に香織は「単刀直入に聞く」と言い、ずっと僕が怖いと思いながらも望んでいたことを口にしてくれた。
「あんた、性同一性障害じゃないの?」
「何で……」
見たらわかるよ、と言い香織は笑う。話を聞くとどうやら香織のお姉さんも僕と同じで性別に違和感を覚えていて、最近性転換の手術を受けたらしい。お姉さんがお兄さんに変わったんだ。