キス・ミー・クイック
ビトウィーン・ザ・シーツ――――『ベッドに入って……』という、かなり意味深な名前のカクテル。


もちろん、『そういう』意味で彼が彼女を誘っていることは明白。


どうするんだろう。


彼女の反応を窺っていると、横から手が伸びてきてカクテルグラスを受け取ってしまった。


――――新しく入ってきた常連客の男性だ。


「ビトウィーン・ザ・シーツ……ね」


とろりとした色合いを透かし見るように、目の前にグラスを掲げる彼。


「ナイトキャップには最適なカクテルだ。今夜は気持ちよく眠れると思いますよ?」


そういって、三つ揃えの男性のコースターにグラスを置いてしまった。





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