キス・ミー・クイック
ちびちびと、舐めるようにカクテルを飲む男性。


どうやら、『ウルド』に来たのは初めてどころか、バーに一人で入るのも初めてのようだ。


先ほどからテーブル席の女性客をちらちらと見ている。


逆ナン待ち……と言ったところだろうか?


何とはなしに彼を観察していると、店のドアが開いた。


新しいお客様だ。


気持ちを切り替えて、お迎えする。


「いらっしゃいませ」


今度のお客様は……雰囲気たっぷりの女性客だった。


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