奥手な二人の両片思い
「確かに。甘くない物って言ったら、ポテトチップスとかジャーキーとか、するめしか思いつかないよ」

「それ、お菓子というよりおつまみですよ……」



苦笑いしている彼をよそに思考を巡らせる。


上川くんは人気者だから、たくさんお菓子もらうかもしれない。

お菓子が甘い物ばっかりだと胃もたれしそう。

あまり体に負担にならない、甘さ控えめの物がいいかな。



「ありがとう」

「いえ、お役に立てたのなら幸いです」



なんて丁寧な言葉遣い。

というか、私のこと苦手なはずなのに、なんだかんだ助けてくれるよね。



「本当にありがとう! モルくんにもお菓子あげるね!」

「あっ……お気持ちだけ受け取っておきます」



「すみません」と丁重にお断り。

フフッ、モルくんらしいなぁ。

微笑ましい気持ちで彼を見送った。







夕食を食べ終えてベッドに寝転び、お菓子を調べる。



「やっぱりチョコ系が王道だよねぇ……」



生チョコ、トリュフチョコ、チョコクッキー、チョコドーナツ。

どれも美味しそう。あ、このドーナツ甘さ控えめみたい。


スマホ画面をスクロールしていると、チョコ味のアメが目に止まった。

へぇ、色んな形があるんだ。
これなら誰ともかぶらなそうでいいかも!
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