奥手な二人の両片思い
◇
「清花がそんなことを……」
「うん。すげー説得力あって、グサッて突き刺さった」
昼休みになり、隼のクラスにお邪魔。
教室で彼に今朝の出来事を話した。
「隼もやっぱりそう思う?」
「……うん」
恐る恐る尋ねると、隼も清花ちゃんと同じ顔で返事をした。
実はこの2人、中学時代に大切な友達を亡くしている。
当時、周りに心配されたくないがために、学校や家族の前では普段通りに振る舞っていた。
しかし、夜になると、自分の部屋で布団を被って、声を殺して泣いていたらしい。
思い出させるのも苦しいだろうから、詳しく聞いたことはないけど、その友達が亡くなった後も、色々あって大変だったのだそう。
「一緒にいるのが当たり前って思ってたから。清花も俺も、葬式の日が来るまで信じられなかった」
切ない顔で笑った隼を見つめる。
その友達はというと……。
「水沢くんは……どんな様子だった?」
「俺らに気を遣って、あまり話しかけてこなくなったよ。だから、俺らのほうから話しかけるようにしてた」
その亡くなった友達は──モルくんこと、水沢くんのお姉さんだったのだ。
「清花がそんなことを……」
「うん。すげー説得力あって、グサッて突き刺さった」
昼休みになり、隼のクラスにお邪魔。
教室で彼に今朝の出来事を話した。
「隼もやっぱりそう思う?」
「……うん」
恐る恐る尋ねると、隼も清花ちゃんと同じ顔で返事をした。
実はこの2人、中学時代に大切な友達を亡くしている。
当時、周りに心配されたくないがために、学校や家族の前では普段通りに振る舞っていた。
しかし、夜になると、自分の部屋で布団を被って、声を殺して泣いていたらしい。
思い出させるのも苦しいだろうから、詳しく聞いたことはないけど、その友達が亡くなった後も、色々あって大変だったのだそう。
「一緒にいるのが当たり前って思ってたから。清花も俺も、葬式の日が来るまで信じられなかった」
切ない顔で笑った隼を見つめる。
その友達はというと……。
「水沢くんは……どんな様子だった?」
「俺らに気を遣って、あまり話しかけてこなくなったよ。だから、俺らのほうから話しかけるようにしてた」
その亡くなった友達は──モルくんこと、水沢くんのお姉さんだったのだ。