奥手な二人の両片思い
「かっこいい……」

「えっ! あ、ありがとう……」



漏れた声に照れる怜也くん。


こんなにかっこよくて優しい人が私の彼氏だなんて。

私、世界一の幸せ者だ……。



「じゃ、次は俺の番ね!」

「わぁ~、楽しみ♪」



何選んだんだろう。

怜也くんのことだから、私じゃ選ばなさそうな華やかな服だったりして。



「じゃ~ん!」



かごから出てきた服を見て目が点になった。



「み……水色⁉」

「そう! 爽やかな色似合いそうだなって。どう?」



見せてきた服は、ストライプ柄の水色のシャツワンピース。

すごく可愛いけど……ど、どうしよう……。



「私……水色の服着たことないの……」

「マジで⁉」



パステルカラーみたいな淡い色は、華奢で可愛い子が選ぶ色だと思って、ずっと避けてきた。

確かに『可愛い服が着たい』とは言ったけど……。



「こんな可愛らしい色がくるとは思ってなかった……」

「大丈夫! きっと似合うよ!」



笑顔で励まされ、ポンと背中を押されて試着室へ。
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