奥手な二人の両片思い
着替えて全身をチェックする。
なんか、爽やかなお嬢さんみたい。
色は可愛らしいけど、シャツだからカジュアルな雰囲気もあって着心地がいい。丈も長めだし。
さすが怜也くんだ。
「どう……かな……?」
恐る恐るカーテンを開けたが……ニコニコしていた顔が一瞬にして固まってしまった。
まさか似合ってなかった⁉
それか、イメージと違った……⁉
「あの……」
「ヤッバ……予想の100倍可愛い」
ひゃ、ひゃ、100倍……⁉
「大げさだよ……」
「今すぐ海沿いの街に連れていきたい」
そんな真っ赤な顔で言わないでよ……。
こっちまで恥ずかしくなってきたじゃん。
「ありがとう……これ、すごく可愛い」
「良かった! 少しゆとりがあるのを選んだんだ。しかもストライプ柄だから、視覚効果で細く見えるよ!」
キラーンと歯を見せて笑った怜也くん。
嬉しさがジワジワと込み上げる。
「色々考えてくれてありがとう! 今度は海沿いの街に行こうね!」
「はぁ……もう、可愛いすぎ……」
試着室からピョンと下りて彼に近づくと、顔を両手で覆って、その場にしゃがみこんでしまった。