奥手な二人の両片思い

動物園デート

怜也side



ショッピングモールデートから数日経った、4月の上旬の昼下がり。


今日は菫ちゃんリクエストの動物園にやってきた。


水族館デートの時と同じく、今回もバッチリ予習済み。

種類が多いから全部は覚えられなかったけど……『オットセイいないよ』みたいなヘマはしないぞ!



「怜也くん!」



待ち合わせ場所のバス停で待っていると、菫ちゃんが小走りでやってきた。

ん……⁉ その服はもしや……。



「あー! その服!」

「菫ちゃんも着てきたの?」



なんと俺達は、ショッピングモールデートでお互いに選び合った服を着てきたのだ。



「今日暖かいから早速着てきちゃった!」

「俺も!」



満面の笑みで頬を緩ませている。

先に海沿いの街に連れて行きたかったけど……ま、可愛いからいっか!


5分後、バスに乗車。
すぐに降りられるよう、前の席に座った。



「怜也くんは動物園はどれくらいの頻度で行く?」

「数年に1回かなぁ。最後に行ったの、小学生の時だった気がする」



何年生かは覚えてないけど、遠足で行ったんだっけ。

だとすると、丸5年は行ってないな。
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